研究課題
若手研究(A)
位相共役波とは、点音源から発信した音波をアレイで受信し、その受信した信号を時間反転した信号(=位相共役波、時間反転波)をアレイから逆に送信すると、元の音源の位置(焦点)に音波が収束するという現象である。この位相共役波の鋭い収束性などの特長を生かして、長距離水平方向の音響通信に適用するための研究を行っている。第1回目の実海域試験では、アレイ側の送波器に不具合が発生し、点からアレイへの通信(Passiveな位相共役通信)のみしか実施できなかったが、第2回目の試験では、この不具合を解消し、点とアレイ間の双方向の位相共役通信、すなわち、Active及び、Passiveの位相共役通信の実海域試験を行うことができた。実験は、駿河湾の水深約1,100mの海域で10kmの距離で行い、以下のような良好な結果を得ることができた。・位相共役波による通信では、上記の条件下で、エラーの無い復調ができたが、適応等化器のみによって復調を行おうとした場合には、通信を行うことができなかった。よって、従来の方法では、通信が行えないような条件下であっても、位相共役波を用いることによって、通信が可能になることを実証することができた。・さらに、位相共役波を用いればより少ない個数の送受波アレイによって通信が行えることを示すことができた。・環境の変動(主に音速分布の時間変化や流れなど)がある場合、位相共役波は原理的にそうした変動に対応できない。そこで、本研究では、位相共役波の収束効果に、適応等化器の動的補償を組み合わせた方法を提案し、これまでシミュレーションによって検証を行ってきたが、今回の実験で、そのような変動がある場合にも、復調ができることを実海域で示すことができた。
すべて 2006 2005 2004
すべて 雑誌論文 (16件)
Japanese Journal of Applied Physics Vol.45, No.5B
ページ: 4847-4852
The proceedings of the 8th European Conference on Underwater Acoustics (ECUA2006) Vol. II
ページ: 879-884
超音波エレクトロニクスの基礎と応用に関するシンポジウム 講演論文集 27
ページ: 27-28
The proceeding CD-ROM of Techno-Ocean 2006 / 19th JASNAOE Ocean Engineering Symposium
The Journal of Acoustical Society of America (The proceedings of the 4th joint meeting of ASA and ASJ) Vol. 120, No. 5, Pt. 2
ページ: 3008-3008
The proceeding of Forum Acousticum 2005
ページ: 267-271
Japanese Journal of Applied Physics Vol.44, No.6B
ページ: 4722-4728
130004534228
海洋音響学会2005年度研究発表会講演論文集
ページ: 87-90
海洋音響学会誌 32・4
ページ: 16-25
130004291790
Acoustical Science and Technology(日本音響学会英文誌) 26・6
ページ: 526-529
110003143604
超音波エレクトロニクスの基礎と応用に関するシンポジウム 講演論文集 第26回
ページ: 177-178
電子情報通信学会技術研究報告US2004-32〜38 104
ページ: 7-12
110003174544
日本音響学会2004年秋季研究発表会講演論文集
ページ: 1317-1318
第25回超音波エレクトロニクスの基礎と応用に関するシンポジウム講演論文集
ページ: 453-454
The Proceedings of European Conference on Underwater Acoustics (ECUA) 2004
ページ: 249-254
Proceedings of Oceans2004
ページ: 2220-2224