配分額 *注記 |
22,750千円 (直接経費: 17,500千円、間接経費: 5,250千円)
2006年度: 7,280千円 (直接経費: 5,600千円、間接経費: 1,680千円)
2005年度: 7,410千円 (直接経費: 5,700千円、間接経費: 1,710千円)
2004年度: 8,060千円 (直接経費: 6,200千円、間接経費: 1,860千円)
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研究概要 |
本研究では、細胞増殖因子の受容体および細胞外マトリックスの受容体として働くインテグリンの細胞内シグナル伝達経路におけるShp2等のチロシンホスファターゼの役割を明らかにすることを目標にしている。今回、四回膜貫通型蛋白質テトラスパニンファミリーに属するCD151に着目した。テトラスパニンはインテグリンを始めとし増殖因子受容体など様々な膜蛋白質と結合することが知られている。その中でCD151はラミニン受容体であるインテグリンα3β1と非常に強く結合しその機能を制御することが報告されてきている。しかしながら、どの様な分子機構によりその制御機能を発揮しているかは不明であった。私は本年度の研究により、CD151をRNAi法によりノックダウンするとインテグリンα3β1の活性化によりもたらされるFAK,paxillin,p130Cas,Srcのチロシンリン酸化が低下することを見出した。またその結果、ラミニン基質への接着強度が低下することがわかった。この時、細胞質型チロシンホスファターゼShp2が関与している可能性を考え解析を行った結果、Shp2と共免疫沈降してくる約95kDa蛋白質のチロシンリン酸化がCD151をノックダウンすることにより顕著に低下することを見出した。現在、この蛋白質の同定を試みている。また、Shp2以外にもインテグリン細胞内シグナルに関与することが知られているチロシンホスファターゼPTP1BやPTPαについても解析を行おうとしている。CD151は、これらチロシンホスファターゼの活性・機能調節を行うことによりインテグリンによるチロシンリン酸化シグナルを制御している可能性が考えられる。
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