配分額 *注記 |
29,640千円 (直接経費: 22,800千円、間接経費: 6,840千円)
2006年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2005年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2004年度: 19,760千円 (直接経費: 15,200千円、間接経費: 4,560千円)
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研究概要 |
作物根に対する複合型土壌環境ストレス(乾燥ストレス,塩ストレス,緊密土壌ストレス)には多くの場合,土壌中の水動態が密接に関連している.本研究は,最終的に作物育成環境での水動態モニターを目指しており,作物根への土壌ストレスの調査基盤として,密閉簡易型の作物育成ポットによる水のトレーサー試験の手技を確立した.以下研究概要を示す. ・D2Oによる水動態のトレースが可能な透明アクリル樹脂製小型ポットを製作し,土壌水分センサーにより土壌体積含水率の土壌水の拡散状況に関する基礎データを得た.これらデータおよび作物根系の深度を勘案し,本試験用機8機(幅:40cm,奥行き10cm,深さ120cm)を製作した. ・実際にD2Oを負荷しトレース実験を開始した.平成16年度申請備品のFTIR(フーリエ変換赤外分光光度計)により,0.05〜10atom%までの濃度においてD2O定量をルーチン化し,土壌から蒸散する水蒸気に含まれるD2Oも,コールドトラップを用いる事で定量化とした.また,土壌中から抽出した溶液中の元素定量に関しても,平成16年度申請備品のXRF(エレメントアナライザ)による定量法を確立した. ・複合土壌ストレスのひとつとして乾燥ストレスを作物に負荷しD2Oトレース試験を行い,「土壌からの根水吸収→植物体を通導→大気への蒸散」という,一連の水分動向における日変動への土壌ストレスの影響を明らかにした. これまで確立した新しい方法論に従い基礎的知見を蓄積し,緊密土壌・塩等の土壌ストレスを複合的に発生させた条件を作物に負荷した上で,引き続き根挙動への影響を精査する.
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