研究課題
若手研究(A)
膵島でのインスリン分泌は、糖尿病の成因に深く関わり、その分泌不全は疾患を引起す原因の一つと考えられている。分泌の最終過程にあたる開ロ放出、およびその準備段階にあたる分泌穎粒の動員機構にも、異常の存在が示唆される。研究代表者は膵島標本内部でおこるインスリン開ロ放出過程を、2光子励起画像法を用いて定量解析するする手法を近年確立した。この励起法の、同時多重染色性を応用して、開ロ放出の起こる時期に関連蛋白質(SNARE蛋白)がどのように構造変化するかを検討した。SNAP25がほかのSNARE蛋白と複合化する際に接近することが示唆されている二箇所に、二種類のGFP変異たんぱく質をふくむ分子内FRETプローブを作製した。当プローブのcDNAをマウ久膵島に遺伝子導入し、発現させた。水溶性蛍光色素液内でグルコースによりインスリン分泌を刺激し、開ロ放出の出現部位におけるFRET効率の変化を、同時三重染色により経時的に測定した。その結果、開ロ放出現象の約2割において、膜融合開始時点に平均3秒先行して、分子内FRET比の一過性上昇が検出された。本プローブを大腸菌に合成させて生化学的に検討したところ、syntaxin 1の存在下に高いFRET比を示すことも確認した。平行して、インスリン穎粒動態を検討するために光活性型GFPで修飾したVAMP2のcDNAプローブも作成した。このプローブ発現細胞の一領域を720nmの超短パルスレーザーで光活性化することに成功した。現条件では顆粒状蛍光領域の可動性が少なく、その拡散や開ロ放出との関連性については検討中の段階にある。
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