配分額 *注記 |
29,900千円 (直接経費: 23,000千円、間接経費: 6,900千円)
2006年度: 9,750千円 (直接経費: 7,500千円、間接経費: 2,250千円)
2005年度: 9,750千円 (直接経費: 7,500千円、間接経費: 2,250千円)
2004年度: 10,400千円 (直接経費: 8,000千円、間接経費: 2,400千円)
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研究概要 |
マウスの肺での各種遺伝子の機能解析を行うため,マウス肺特異的にsiRNAを導入する方法について,平成18年度は最新の知見を踏まえてアデノ関連ウイルスによるsiRNA導入について検討を行った.アデノウイルスを用いたマウス肺での遺伝子発現系については報告がある[Rosenfeld MA, et. al., Cell 68(1):133-55,1992]がアデノウイルスは毒性が強く,またウイルス力価の調整が難しい.アデノ関連ウイルス(AAV)は毒性が弱く,AAVを用いてマウス肺での遺伝子導入の報告もされるようになった[Tang K, et. al., J Appl Physiol 97:1559-66,2004].また一方でAAVには幾つかの血清型があるが,最初に確立された血清型2のAAVより,血清型5の方が気道上皮に対してより強い親和性を持つことが報告され[Zabner J, et. al., J Virology 74(8):3852-8,2000],血清型5のカプシドを血清型2のアデノ関連ウイルスと組み合わせたハイブリッドウイルス[Hildinger M, et. al., J Virology 75(13):6199-203,2001]をマウス肺に用いることが一番効果的でかつ付随した炎症反応を防ぐことができるものとして検討を行った.アメリカ国立衛生研究所のDr. ChioriniよりAAV血清型5のカプシド配列の供給を受け,ハイブリッドウイルスを構築,ヘアピンsiRNAの周辺配列としてmiR30の配列を用いて,さらに感染標識としてIRISを介してGFPを発現するウイルスパッケージング用のプラスミドを構築した.現在,感染実験に向けて大臣申請中であるが,これらの系は,肺特異的に遺伝子の発現抑制あるいは強制発現を可能にする非常に興味深い系である.現在,マウスに投与するに際し,高力価でより毒性の少ないウイルスの精製法について検討を行い,近日中にマウス投与を行いその効果を確認する予定である.
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