研究課題
若手研究(A)
レーザーキャプチャー顕微鏡を用いたマイクロダイセクションシステム(LCM)は、顕微鏡観察下において組織切片から単一の標的細胞集団のみを正確に採取して、その標的細胞からのRNA抽出を可能にした画期的なシステムである。そして、その分離採取された各細胞集団から得られたRNAを比較解析すれば、それぞれに特異的なマーカーを同定することも可能だと考え、LCMが可能な骨と歯牙を含む硬組織非脱灰凍結切片の作成を試みた。硬組織非脱灰凍結切片から抽出したRNAは28Sおよび18Sのピークが明確で、RT-PCR解析においても明瞭なオステオカルシン、GAPDHなどのバンドが確認され、RNAのクウォリティの高さを示唆する結果が得られた。続いて、LCMにより抽出されたRNAを増幅後、マイクロアレイ解析を行った結果、解析した約40000個の遺伝子のうち、2000個以上に発現レベルの差を認めた。上記のように、セメント質および歯根膜組織等の硬組織の遺伝子配列の解析が可能なRNA抽出法が確立され、組織特異的なマーカーの検索と機能解析が可能となった。セメント質に発現が強いものを順次選択し、定量的RT-PCR法によるスクリーニングを行った。LCMで得られるRNAの収量はきわめて少ないため、そして大腿骨・頚骨には歯周組織は含まれないことから、セメント(+)/歯根膜(-)/顎骨(+)/大腿骨(-)の遺伝子は、セメント質に関連するものである可能性が高いと仮定して、PCR解析には上記の組織を用いた。引き続き、In-situ hybrydizstion法によって、各遺伝子の局在を検索した。そして、上記遺伝子のうちのひとつの発現は、ヘルトビッヒの上皮鞘に特異的であることが明らかになり、歯根形成への関与が強く示唆された。この遺伝子の真の機能を検索するため、ノックアウトマウスの作出を計画し、ターゲティングベクターの設計を行った。
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