研究概要 |
本年度は,ネットワーク構成の動的変更が可能なReconfigurable Mesh(RM), Linear Reconfigurable Mesh(LRM),及びMesh with Separable Buses(MSB)を対象とした研究を行った。 RMは,基本ネットワークトポロジは格子状であるが,各格子点においてネットワークの接続状況を動的に変化させることができ,ネットワーク変更自由度が高いモデルである.LRMは,RMのネットワーク形状のうち分岐の無いもののみを許すモデルである.MSBは,各行各列にブロードキャストバスが付加されたメッシュ結合型並列計算モデルである.MSBに配置されるバスは,プログラムの実行中に長さの異なる幾つかのセグメントに動的に分割可能である。 本研究では,これらのモデルのscaling-simulation問題に取り組んだ.scaling-simulation問題とは,多数のプロセッサからなる並列マシンの動作を,より少ないプロセッサ数の並列マシンを用いて模倣する問題であり,実用上重要である.具体的な成果は以下の通りである:1)n^2プロセッサLRMの任意の1命令は,m^2プロセッサMSBを用いて効率よく模倣可能であることを示した(m<n),2)n^2プロセッサRMの任意の1命令は,layered busという概念を用いることにより,より少ないプロセッサ数のRMでも効率良く模倣可能であることを示した.
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