研究概要 |
本研究は,独自に開発を進めているコンテンツリクエストシステム(CRS)を用いて,オンデマンドマルチキャストを可能とするプラットフォームの開発を進めている.具体的には,クライアントとサーバの間にCRSを介在させ,クライアントからのリクエストをCRS上のキューに蓄えることによって,異なる時間にアクセスした複数のユーザが同じコンテンツを同時に受信可能なマルチキャストオンデマンドシステムを構築している.さらに,利用者自身のピアにCRSをインストールすることにより,P2P環境でのマルチキャストオンデマンドが浸透可能なシステムの構築を昨年度まで進めてきていた。今年度は最終年度であり、実用化を目指して以下の項目を実施した。 [1]マルチキャスト未対応ネットワーク環境においても,上述のオンデマンドライブマルチキャスト環境を構築するために,複数のストリーミングサーバ上に動的にコンテンツを配置可能となる連携機能の構築を行った.その結果,広域マルチキャストストリーミングを実現させることが可能となってきた.さらに,これをP2P環境にも応用できる範囲の拡張についても検討と実装を行った。 [2]P2P環境に拡張する時点の問題として,流通するストリーミングコンテンツが上述のように複数サーバ上の連携によって実現される場合,コンテンツに対する著作権問題が生じる.そこで,本年度は,これらの実用上に際する問題点となるP2P環境上での著作権について設計と実装を行った.具体的には,従来のコンテンツに対する処理で解決を行うのでなく,コンテンツに付属可能なメタ情報を用いて,コンテンツの利用範囲を定め,モバイルエージェント上で管理を行った.これより,P2Pシステム上において,コンテンツ管理を提供可能なソフトウェアの設計・開発を実施した。
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