研究概要 |
ピアツーピア(以下P2P)ネットワークを利用した情報検索システムの開発を行った,具体的には,既存のインターネットブラウザのプロキシ機能を介してインターネットキャッシュファイルをピア間で共有するP2Pキャッシュファイル共有システムであり,主に以下のような部分から構成されるものである. 1.情報検索クライアント用エージェント ウェブブラウザのプロキシ機能を用いてページの参照を行えるソフトウエアである.このエージェントは,ユーザが要求するページについて,後述する「P2P検索サーバ」から得られたキャッシュファイル情報に基づき,ローカルホストおよび他のエージェント(ピア)が持つキャッシュファイルを取得するものである.本補助金で準備した開発環境上にてC#言語を用いて開発を行い,WWW,ローカル,P2Pによるキャッシュ共有機能の動作を確認した. 2.P2P検索サーバ P2Pシステムにおいてピアがどのようなキャッシュファイルを保持するかを管理する検索サーバシステムである.補助金で購入したサーバ環境上にSQL Server2000を用いてキャッシュファイルデータベースの構築を行った.上記1の「情報検索クライアント用エージェント」との通信により,その動作を確認した. 開発したシステムを用い,研究代表者が所属する機関の同じカテゴリに興味を持つ小グループにてインターネットキャッシュファイルの共有を行い,効率よく(キャッシュ共有率10%程度)目的のページを取得できることを確認した.ただし,インターネットブラウザと本システムとの互換性の問題から,画像が多く含まれるページでは完全にそれを表示できない不具合が生じた.テキストベースでは問題はないが,今後これらの改善を行わなければならない.また,ピア数も2-3と小規模であったが,今後さらにこの数を増やし,より効果が上がるかどうかを検討することも課題となる.
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