研究概要 |
本年度は3ヵ年計画の本研究課題の最終年度として、滑らかな視点変化映像生成の実現を中心に研究を行った。具体的な成果・状況を以下に示す。 滑らかな視点変化映像生成の実現においては、実際にカメラを設置しなかった視点位置でのシーンの見え方を合成し、切り替え提示に用いることで、カメラ台数の不足を補いつつ、滑らかな視点変化を表現できると考えた。今年度は、カメラとカメラを結ぶ直線上の仮想的な視点を考え、その点での仮想視野合成の基礎検討として、View Morphingを基にした方法について検討した。具体的には、3次元的カメラキャリブレーションの結果得られるカメラ群の位置・姿勢情報を用いて、2台のカメラの画像を平行化し、画像上の対応点を基にした画像補間(モーフィング)を行うことで中間視点での撮影像における見え方を合成する方法を実装した。 また、提示する仮想視野の広さを確保するために、提示するカメラ画像の視野の外部をほかのカメラの画像を用いて補間する手法を開発した。共有視野に含まれる平面を単位としてその幾何学関係を導き、カメラのレンズ歪や明度のばらつきを考慮して1つの視野の画像に合成する方法であり、モノクロ画像ながら、継ぎ目がほとんど目立たないシームレスな仮想広角画像を得ることができ、切り替え提示のための画像処理において、仮想的視野の自由度を向上することができた。 一方、当初の計画にあげていた提案手法の応用実験や主観評価実験については、基礎的な検討に留まっており、詳細な評価の実施と考察が今後の課題として残っている。 なお、平成17年度までの本研究課題の成果を平成18年8月19日から25日に香港で開催された国際会議The 18th International Conference on Pattern Recognition (ICPR 2006)にて発表した。(S.Tokai, H.Hase, "Attention Navigation by Keeping Screen Layout for Switching Multiple Views", Proc.of ICPR 2006, D04_0539.PDF in CD-ROM)
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