研究概要 |
本研究課題の基盤構築部分の成果は、以下の3つに大別される. 1.バーチャルリアリティシステム内で行われた様々なアクションに応じて,ネットワークで接続された計算用コンピュータにアクションの情報を送信する.情報が送信されたコンピュータでは,数値シミュレーションを始めとする様々な数値計算を行い,得られた結果をバーチャルリアリティシステム側に送り返す.バーチャルリアリティシステムでは,受け取った計算結果を直ちに可視化する。これらのシステムにより,あたかも手元で操作し,操作情報に応じて変化したように感じさせるシステムを構築した. 2.送受信データが非常に大きい場合を想定し,比較的簡単な処理で,圧縮処理の時間がほとんどかからない非可逆圧縮機能を導入し,通信コストの低減および全体の処理速度の向上をはかった. 3.可視化された結果をネットワークで接続された遠隔地のバーチャルリアリティ装置同士で共有し、同じ三次元像を観察可能な環境を構築した。 応用的な成果としては,両親媒性分子のシミュレーション結果に本システムを適用し,温度および密度を変更することで,そのパラメータに応じた数値シミュレーションをバーチャルリアリティ空間内で行えるシステムの構築を行った.また,同様に部品組み付け工程シミュレーションを行うシステムへの導入を行い,ネットワークで接続されたコンピュータで干渉判定計算を行い,干渉の有無を計算した後,干渉を解除する方向をバーチャルリアリティシステムに返すリアルタイム組み付けシステムの基盤構築を行った.
|