研究概要 |
本研究で用いる高精度力センサベッドには,ひとつのセンサの計測範囲が100[kPa]程度までリニアリティがあり,呼吸や脈拍の振幅を精密に捕らえるために0.1[kPa]程度の分解能を持ち,全身の部位を計測するために50〜100[mm]程度の間隔で200から300個程度のセンサをベッド面に配置し,呼吸や脈拍の波形と位相差を精密に計測できるように100〜1k[Hz]程度のサンプリングレートが必要となる.本年度はこの性能をもつ高精度力センサベッドの構築と改良を行った.また,非拘束で日常の人体の内部状態を計測するとき,センサで計測できるバイタルサインは限定されてくる.そこで人体のモデルを使った推測によって,センサからの情報を補完することで,より詳細な人体の把握をすることができると考えられる.そこで酸素消費量の変化に応じて呼吸や心拍数が調節されるシミュレータを構築した.酸素消費量により駆動される呼吸器・循環器統合シミュレータの構成は,酸素消費量と二酸化炭素排出量がシミュレータ全体への入力となっている.シミュレータを構成するモデルは,コントローラが心臓血管コントロール,CO2ドライブである.構成される具体的な器官は循環器,呼吸器,さらに肺胞・肺毛細管間のガス交換のモデルである.さらに多くのセンサ情報を効率よく収集可能なアドホックかつマルチホップが可能なワイヤレスセンサネットワークデバイスの構築を行い,多種多様なセンサ群を特別なコンフィグレーションを行うことなく,自動的に接続され,データが収集可能であることを確認した.
|