研究概要 |
本研究の目的は,"遺伝的アルゴリズム(GA)によるニューラルネットワーク(NN)の学習"と"誤差逆伝播法(BP)によるNNの学習"を併用できる専用アーキテクチャを開発することである。本年度の研究内容と成果は以下のとおりである。 1.ハードウェア・ソフトウェアの連動処理を実現するハードウェアアクセラレータの設計・検証 専用ハードウェア以外の新しい高速化のアプローチとして,ハードウェア処理の高速性とソフトウェア処理の汎用性を実現するGA専用ハードウェアアクセラレータを考案した。考案したハードウェアアクセラレータでは,並列処理が可能で,繰り返しの処理が多い部分を予備実験により求めることで,効果的な高速処理を実現した。さらに,様々な実用的なアプリケーションに適用し,その有効性を確認した。 2.効率的な学習を実現するためのハイブリッド学習アルゴリズムの検討 2つのニューラルネットワークを用いることで,自立学習を実現するアルゴリズムを新しく考案し,擬似生態系を用いたシミュレーション実験でその有効性を確認した。また,BP学習法と強化学習法を組み合わせたハイブリッド学習法についても新しく考案し,シミュレーション実験では,効果的なロボットの行動獲得を実現した。 3.実用的なアプリケーションでの専用ハードウェアの設計・検証 これまで開発したGA・BP専用ハードウェアを研究で得られた知見を利用し,ウィルス進化論を用いたナビゲーションシステムや蟻の採餌行動を模倣したアントコロニー最適化法の専用ハードウェアを用いた新しいアプローチを実現し,FPGAに実装した評価実験により,その有効性を確認した。
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