研究概要 |
観測情報の不正確さに起因する3次元形状の獲得精度の低下という問題に対し,物体を多関節物体に限定することにより精度向上を図るアプローチ,および,多視点で観測された色情報を利用することにより精度向上を図るアプローチ,の2つのアプローチによって精度向上を図った. まず,多関節物体に限定することによるアプローチでは,多関節物体の各体節が剛体であるという知識を利用し,体節の剛体性に基づく確率モデルを利用することによって体節形状を高精度に獲得する手法を研究した. 次に,色情報を利用するアプローチでは, 1,他関節物体が持つ剛体性と確率的手法を利用することによってより高精度な多関節物体の形状を獲得する手法 2,物体色と背景色が類似することによるシルエット抽出誤りを,ランダムパターン背景と多視点での物体の観測色を利用することにより訂正する手法 3,物体色と背景色が類似することによるシルエット抽出誤りを,多視点での背景差分値と物体形状に対する知識を利用することにより解消する手法 を研究した. また,これらの手法の有効性を実証するために,多数のカメラ・照明,およびランダムパターン背景を設置した撮影システムを構築した.本撮影システムによりさまざまな照明環境・背景環境を実現することができ,本撮影システムを用いてさまざまな物体を撮影対象として実験を行うことにより,提案手法の有効性を検証することが可能となった.その結果,観測情報の相互補完を行うことによる3次元形状の計測精度の向上が,十分に働くことが実証された.
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