研究概要 |
平成17年度は、管内ロボットの試作と推定手法の有効性の確認を行った。 1.管内ロボットの試作 管内走行に不可欠な姿勢維持機能を持ち、かつ車輪と操舵の回転角や各関節角を測定可能なロボットの機構について検討し、試作を行った。これまで製作したロボットは、パンタグラフ機構を用いて姿勢を維持していた。パンタグラフ機構は、非常に高い伸縮率を有するが、機構が複雑であるためロボットの総重量を増加させ、ロボットの姿勢安定性を低下させていた。これを単純なシリンダ機構に置き換えた。これに伴い、各関節角の測定方法も見直し、より正確に関節角を測定する機構となった。ただし、車輪と操舵の回転角の測定については、これまでのロボットと同様な方法を用いた。全ての製作行程を申請者の施設(鶴岡工業高等専門学校)で行い、平成17年12月にロボットを完成させた。 2.推定手法の有効性の確認 上記のロボットを使い、実験管路における自己位置推定の基礎実験を行った。実験結果から、オドメトリを用いる曲面上デッドレコニングが可能であることを確認した。しかし、ロボットの姿勢変化が車輪と曲面の接触状態に影響を与えるため、推定誤差が大きくなることが分かった。 3.今後の課題 推定誤差を低減させるため、姿勢情報を用いる予定であった。しかし、姿勢モニタは、そのソフトウェアの作成が遅れたため、平成17年度のシステムに組み込まれなかった。今後、姿勢モニタを完成させ、推定精度の向上を目指したい。 4.その他 本研究に関連する研究成果「Development of a steerable, wheel-type, in-pipe robot and its path planning」を学術雑誌「Advanced Robotics」に投稿し、2005年6月に採録となった。
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