研究課題/領域番号 |
16700210
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
感性情報学・ソフトコンピューティング
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
川村 正樹 山口大学, 大学院・理工学研究科, 講師 (60314796)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2006年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2005年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2004年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 相関ノイズ / 最適化問題 / 連想記憶モデル / アトラクタ間の遷移 / サンプル依存性 / CDMA / アトラクタの遷移 / 速想記憶モデル / 状熊遷移 / ニューラルネットワーク |
研究概要 |
最適化問題では、ローカルミニマムに捕らわれて最適解が得られない場合が多い。この主の問題はNP困難であり、最適解を求める一般的な解法はない。そこで、準最適な解を効率よく求めることが必要である。本研究の目的は、ニューラルネットワークで導入された相関ノイズを最適化問題へ適用し、より良い解が得られるかどうかを評価することである。最適解や準最適解は系のアトラクタとして存在するので、相関ノイズによりアトラクタ間の遷移が効率的に起れば、より良い解に到達する可能性がある。今年度は、主に次のテーマについて検討した。 昨年度に引き続き、最適化問題の一例である巡回セールスマン問題に、相関ノイズを導入し、最適解の出現頻度を求めた。最大30都市の場合まで評価を行ったが、従来手法であるシミュレーテッドアニーリングと同様に、規模が大きくなるにしたがって、最適解を得ることが難しくなった。そこで、最適解に近い準最適解の出現頻度を評価した。その結果、同じ計算時間内では、本手法の方がより良い解の出現頻度が高くなる傾向が見られた。すなわち、相関ノイズの方が独立ノイズ等に比べ、効率的に良い解を求めることができることがわかった。 次に、相関ノイズの数理的なメカニズムを探るために、連想記憶モデルを用い、アトラクタ間の遷移について調べた。我々の相関ノイズの研究により、相関ノイズは熱ゆらぎ(独立ノイズ)と異り、アトラクタ間の遷移を起こすことが可能であることがわかった。また、どのような条件の場合に、状態遷移が起こり得るかが明らかになりつつある。メカニズムを明らかにできれば、最適化問題においても、さらに良い解を見つけることが可能になると考えられる。 以上のように、相関ノイズによる状態遷移のメカニズムに一定の成果が得られ、また、最適化問題においても良い結果が得られた。
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