研究課題
若手研究(B)
平成16年度にはコミュニティ開発過程における「公共」の再構築と多様なアクターの協働について調査研究を進めた。平成17年度にはこれらコミュニティ形成の協働がなされる行為空間に注目し、人文地理学等の空間論の知見とGIS等の地理・空間情報処理を利用したコミュニティ実践とを関連付けた調査研究を遂行してきた。平成18年度はこれらの調査研究の成果をまとめて、学会を通じて公表することを中心に取り組んできた。平成18年度には、研究口頭発表を国内学会で4回(予稿集収録文書3本含む)、国際学会で1回行った。また、当研究による論文も国内学会誌1本(査読有)が掲載され、国際学会発表論文集1本(査読有)が印刷作業中である。これらの研究の基本となつたのが、「空間」を「場所」へと変換し愛着ある特別な「地域」にするために、空間情報処理がどのように影響を与え、どのように「場所」を創造してゆけるかの仮説を構築すると同時に、実際に空間情報を活用しているコミュニティ実践の事例をして取り上げての仮説検証であった。それらの事例は、山口県萩市の「萩まちじゅう博物館」、西宮市「ちずナビ隊」、米国ロサンゼルスのLILA(Living Independently in Los Angeles)といった昨年度調査先であった。3年間に渡る「都市のコミュニティ・インフォマティックスに関する研究-日米比較を通して-」では、コミュニティ情報化実践の成功要因の明確化およびコミュニティ・インフォマティックスのデザインにおける重要な要因の明確化という目的を掲げてきた。しかしながら、これらについては十分な成果をあげるまでには至らなかった。コミュニティ・インフォマティックスのデザインにおいては、「公共」への関心や空間情報処理からのアプローチという点では、大きな貢献ができたと考える。しかしながら「成功要因」の分析については十分な検討が行えなかった。これらについては今後の課題としたい。
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Proceedings of the 3rd Prato International Community Informatics Conference (CIRN 2006)(L. Stillman & G. Johanson (Eds.))(published by Cambridge Scholars Publishing) (印刷中)
情報文化学会誌 13・2
ページ: 27-33
110009840660