研究課題/領域番号 |
16700266
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
統計科学
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研究機関 | 東京工業高等専門学校 |
研究代表者 |
鈴木 雅人 東京工業高等専門学校, 情報工学科, 教授 (50290721)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2006年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2005年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
2004年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
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キーワード | 手書き宛名認識 / 行書体文字列認識 / パタン認識 / ペン習字お手本生成 / 手書き文字認識 / 文字列自動認識 / パタン自動生成 |
研究概要 |
本研究の目的は、毛筆を用いて行書体や草書体などで書かれた続け文字列などを高精度に認識する手法を確立することであり、当該年度は研究期間3年間の最後の年度にあたる。研究の目的を達成するため、これまで研究代表者が所属する研究グループで行なってきた手書き宛名および手書き文字の自動認識に関する研究と、ペン字・書道における文字の美的評価に関する研究の成果を土台として、従来の認識手法とは全く逆のアプローチを検討している。すなわち、あらかじめ用意した個々の文字画像から、続け文字列を自動生成し、文字列同士のパタンマッチにより、認識処理を行おうとするものである。昨年度までの研究において自動認識アルゴリズムの概略は固まっていたが、生成された続け文字画像と入力文字列画像とのパタン照合を行う際に、特に連綿箇所の差異が要因となって誤認識を招く例が非常に多く、従来の個別文字認識におけるパタン照合法がそのまま適用できないという問題点が残されていた。そのため、その解決法として、線形識別関数に基づく拡張重み付き方向線素特徴量を用いたパタン照合法を考案した。 また、完成した認識アルゴリズムを実装して認識実験を行った。実験では旧郵政研究所から公開された手書き宛名データベースIPTP2のうち、続け字を含む163件のサンプルである。その結果、163件中131件のデータが本アルゴリズムによって正しく読み取ることが可能となり、従来の個別文字切り出しによるアプローチに比べて、飛躍的に認識精度の改善を行うことが出来た。また、今回の認識アルゴリズムによって誤読してしまったサンプルについて誤認識原因を調査してみたところ、提案アルゴリズムに直接起因する例はなく、個々の文字品質などが主な原因と考えられる。以上の結果から、毛筆などによって書かれた手書き続け字認識において、本提案アルゴリズムの有効性が確認できた。
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