研究課題/領域番号 |
16700303
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経解剖学・神経病理学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
宮坂 知宏 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (90342857)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2005年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2004年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | タウ / タウオパチー / 神経変性疾患 / 線虫 / Gene chip / FTDP-17 / Neurofibrillary Tangle / アルツハイマー病 / アルツハイマー / FIDP-17 / 微小管 / NFT |
研究概要 |
本年度において、申請者は前年度作製したFTDP-17変異型タウ発現線虫における詳細なタウの発現量解析をおこなった。その結果、ウエスタンブロット、RT-PCRで2日齢、5日齢において安定してタウが発現していることが確認された。同時にこの時期で行動解析をおこない、変異型タウを発現させたライン、あるいは野生型タウを高発現させたラインで行動学的な異常を示すことを見いだした。以上の結果より、2日齢、5日齢での発現解析が妥当であると判断した。つづいて、これら線虫より、mRNAを精製し、網羅的な発現解析をおこなった。その結果、幾つかのmRNAがタウオパチー神経変性に対応して発現量の変化するものとして同定された。これら候補遺伝子について、リアルタイムPCR法により再解析した結果、この発現変化は正確に再現されることを確認した。この候補遺伝子群には、共通の細胞内シグナル伝達経路の異常を反映する一群が含まれており、新たなタウオパチー神経変性経路の同定が期待される。現在、これら候補遺伝子の真偽について確認するため、培養細胞系、線虫を用いた詳細な解析を進めているところである。 また、以前作製したmechanosensory neuronにタウを発現させた線虫を用いて、このモデルにおける神経機能異常に影響を与える因子の同定を進めた。その結果、低分子量化合物としてはクルクミンがこの神経機能異常に保護効果を持つことを見いだした。また、分子シャペロンの一つとしてHSP70に注目し、その神経保護効果について形態学的な解析を進めた。その結果、HSP70発現により軸索、細胞体などの形態異常も同時に回復することがわかった。この結果はタウオパチー神経変性機にタンパク質折りたたみ異常が大きく関与していることをいみし、また、今後のタウオパチーの治療法開発の可能性を提示するものである。
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