研究課題/領域番号 |
16700311
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経解剖学・神経病理学
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
藤ヶ崎 純子 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (60312021)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2005年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2004年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | ポリグルタミン病 / 脊髄小脳変性症3型 / 脊髄小脳変性症7型 / 核内封入体 / Small ubiquitin modifier-1 / 核-細胞質間輸送システム / ユビキチン-プロテアソーム系 / 神経変性疾患 / 核-細胞質輸送システム / Histone Deacetylase |
研究概要 |
脊髄小脳変性症3型(SCA3)に代表される遺伝性神経変性疾患であるポリグルタミン病では疾患の原因となる変異蛋白が神経細胞内に凝集し核内封入体が形成される。本研究はユビキチン関連蛋白の一つであるsmall ubiquitin modifier-1 (SUMO-1)と核内封入体の関連を明らかにし、それを端緒に神経変性のメカニズムを解明することを目的としている。SUMO-1は基質蛋白に結合し(SUMO化)、蛋白の核-細胞質間輸送を調節する等、蛋白の細胞内局在の調節に重要な役割を果たしている。SCA3に加え脊髄小脳変性症7型(SCA7)を主な研究対象とした。SCA3、SCA7の剖検脳で観察される核内封入体がSUMO化されていることを明らかにした。テトラサイクリンによって変異蛋白発現調整が可能なSCA7の細胞モデルにおいて、変異蛋白を含むSUMO化された核内封入体が形成されることを経時的に確認した。また、神経細胞核内封入体病の核内封入体や、黒質の色素神経細胞の核内に形成されるマリネスコ小体がSUMO化されていることを確認し、SUMO-1が神経細胞内での核内封入体形成に重要な役割を果たしていることを報告した。これらの核内封入体に関わるSUMO化基質蛋白としてHistone deacetylase4 (HDAC4)を同定した。HDAC4は核内封入体のみならず、パーキンソン病関連疾患で出現する細胞質内封入体であるレビー小体の形成にも関与していた。これらの病態においてHDAC4の核-細胞質間輸送がSUMO化によって調節されている可能性について報告した。本研究によりポリグルタミン病の核内封入体および他の病態で形成される神経細胞内の封入体とSUMO蛋白との関係が明らかとなった。SUMOおよびその関連蛋白はこれらの神経変性疾患の病態機序の解明にむけて、今後の重要な研究対象になると考えられた。
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