研究課題/領域番号 |
16700317
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経化学・神経薬理学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
倉増 敦朗 東北大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (90302091)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2005年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2004年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | ヒスタミンH3受容体 / CLIC4 / G蛋白質共役受容体 / カルボキシ末端 / 自己受容体 / 開口放出 / G蛋白質共役型受容体 / 細胞内クロライドチャネル |
研究概要 |
1.H3受容体発現細胞の樹立 野生型のヒトヒスタミンH3受容体発現ベクターを培養細胞PC12に恒久的に遺伝子導入し、安定発現細胞を樹立した。同様に、in vitro結合実験で細胞内クロライドチャンネルCLIC4との結合活性が無くなることがわかっている変異を挿入した変異型H3受容体の安定発現細胞を樹立した。これら2種類の発現細胞のH3受容体発現量は、ウェスタンブロットおよびリガンド結合実験により、ほぼ同等であることを確認した。 2.機能解析 (1)細胞内サイクリックAMP濃度 H3受容体はG_<i/o>蛋白質に共役してアデニル酸シクラーゼを抑制し、その結果PKA活性が低下することによりカルシウムチャンネルが抑制されると考えられている。野生型H3受容体発現細胞をフォルスコリンで刺激した時の細胞内cAMP濃度の上昇は、H3受容体アゴニストであるR-α-メチルヒスタミン(RAMH)刺激により抑制された。また、変異型H3受容体発現細胞においても野生型と同程度抑制が見られた。この結果からH3受容体カルボキシ末端とCLIC4との相互作用はアデニル酸シクラーゼ活性には影響しないと考えられる。 (2)開口放出抑制能 H3受容体発現細胞に脱分極刺激を与え、H3受容体アゴニストRAMHの存在下で開口放出量を測定したところ、野生型H3受容体発現細胞ではH3受容体刺激による開口放出抑制が認められたが、変異型H3受容体発現細胞ではRAMHによる開口放出の抑制が有意に低下していた。 以上の結果から、H3受容体カルボキシ末端とCLIC4との相互作用は、H3受容体刺激による開口放出抑制機構に重要な役割を果たしていると考えられる。この相互作用の有無はアデニル酸シクラーゼ活性には影響しないことから、それより下流の開口放出抑制機構に影響を及ぼしている可能性がある。
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