研究課題/領域番号 |
16700319
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経化学・神経薬理学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
吉田 知之 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (90372367)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2005年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2004年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | シナプス形成 / アクティブゾーン前駆小胞 / プロテオーム解析 / NFAT / PKA / カルシニューリン / CREB / ゼブラフィッシュ / 嗅神経細胞 |
研究概要 |
ラット胎児脳抽出物からショ糖密度勾配遠心法によりlight membrane画分を得た。この画分に対して2種類のアクティブゾーン蛋白質に対する抗体を用いて免疫沈降を行い、アクティブゾーン前駆小胞を独立に濃縮した。これらをSDS-PAGEで展開し、銀染色したところコントロールに対して2種類の抗アクティブゾーン蛋白質抗体特異的に共沈するバンドが20程度得られた。今後、これらの蛋白質を質量分解により同定し、シナプス形成における機能を解析する予定である。 また、上記で得られる分子がシナプス形成においてどのような働きを持つのかを調べるため、GAP43-EGFPで可視化したゼブラフィッシュ嗅神経細胞軸索終末の構造変化やVAMP2-EGFPを用いて可視化したシナプス小胞の集積の変化を指標とした機能解析系を作製した。この系を用いることにより恒常不活性化型PKA及びCREBの発現がVAMP2-EGFPの軸索終末への集積を抑制し、一方、恒常活性化型PKA及びCREBの発現がそれを促進することがわかった。一方、カルシニューリン阻害薬を投与すると軸索終末の膜構造の変化が抑えられ、カルシニューリンによるNFATの活性化を阻害するペプチドを発現することによっても同様に軸索終末の膜構造の変化が抑えられたため、カルシニューリン-NFATシグナルが軸索終末の膜構造の変化を調節することが分かった。これらの結果より、軸索終末の分化をPKA-CREBシグナルとカルシニューリン-NFATシグナルが独立に調節することが示唆された。この成果はJournal of Neuroscience25(12):3067-3079に掲載された。またプレシナプスに局在するb-ニューレキシンがこれらの膜構造の変化、シナプス小胞の集積のうち後者を選択的に調節することを見いだした。この成果は現在投稿中である。
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