研究課題/領域番号 |
16700321
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経化学・神経薬理学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
森吉 弘毅 京都大学, 生命科学研究科, 助教授 (50263091)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2005年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2004年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | シナプス / 膜蛋白 / 蛋白相互作用 / two-hybrid法 |
研究概要 |
中枢神経系のシナプスは非常にダイナミックな構造であって、大きさや形態が刺激に応じて柔軟に変化し、ひいてはシナプス自体が生成、消滅するが、その根底にある分子メカニズムについてはほとんど未知のまま残されている。我々は、中枢神経系のシナプスにおける種々の蛋白のダイナミクスと、それによって引き起こされるシナプスの構造的、機能的な変化のメカニズムに興味を持って研究を進めている。そのための手段として、酵母を用いたtwo-hybrid法やそれを元に改良されたthree-hybrid法、膜特異的two-hybrid法などを用いて新たな蛋白相互作用を見出すことから研究を進めようとしている。 これまでの研究結果で、幾つかの蛋白相互作用が見出されたので、その解析を行った。 まず、グルタミン酸受容体と相互作用する分子として、ユビキチンリガーゼsiah(seven in absentia homolog)を見出し、siahがタイプI代謝型グルタミン酸受容体(mGluR1aまたはmGluR5)を選択的にユビキチン化して分解を促進することを示した。さらにこの反応に必要な蛋白ドメインを同定し、siahとmGluRの直接結合を示した。また、siahはダイマー形成を通じた自己ユビキチン化により速やかに分解され、通常は細胞内の蛋白レベルが低く保たれているが、基質であるmGluRが存在する時にはこの分解が抑制され蛋白レベルが上昇する事を見出した。これは基質を効率良く分解するために役立つ機構であると考えており、siahのダイマー形成との関連を解析中である。また、siahにはmGluR以外に幾つかの基質となる蛋白が知られており、これらについても同様の機構が存在するかについても解析していく。 また、これまでの実験系の開発を通じて、複数の膜蛋白同士の相互作用を新たに同定することができ、実験系の有用性が明らかになった。今後は同定された相互作用の生理的機能解析を進めていくと共に、更なる実験系の改良を進めていく予定である。
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