研究課題/領域番号 |
16700338
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経・筋肉生理学
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
谷口 睦男 高知大学, 医学部, 助手 (10304677)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2005年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2004年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 副嗅球 / ニスタチン / 代謝型グルタミン酸受容体 / 相反性シナプス / パッチクランプ / 電気生理学 |
研究概要 |
1.副嗅球僧帽細胞-顆粒細胞間相反性シナプスの性質 a.僧帽細胞から顆粒細胞への興奮性シナプス伝達 僧帽細胞の自発性脱分極により、顆粒細胞にはグルタミン酸を介する興奮性シナプス電流(EPSC)が生じる。昨年度の成果発表を行った際、よりEPSCの発生頻度の高い標本を用いた方が理想的であるとの指摘を受けた。本年度は、相反性シナプス伝達のうち、この興奮性シナプス伝達をより精密に調べる為、マウス副嗅球スライス標本を作製し、ホールセル法を用いて各種薬物のEPSCに対する効果を顆粒細胞より記録した。その際、高頻度にEPSCを発生している組織を用いた。 mEPSCの大きさおよび発生頻度は、DCG-IV(mGluR2作動薬)の投与によりいずれも減少した。本年度の結果は、mGluR2が僧帽細胞膜からのグルタミン酸放出の抑制、および顆粒細胞でのグルタミン酸応答の発現抑制の双方に関与していることを示唆した昨年度の研究結果を、さらに高精度なレベルで支持した。 2.末梢におけるフェロモン情報変換機構 健全な鋤鼻スライスを作成することが必須である為、電位刺激により鋤鼻感覚細胞に発生するNa電流の大きさ(I_<Na>)を指標としてスライス作成方法の改良を行った。その結果、従来報告されていた類似条件下での値(I_<Na>=1.27nA)を大きく上回る上質のスライスを得るのに成功した(I_<Na>=1.97±0.16,n=3)。 次に、感覚細胞のフェロモンに対する応答特異性を効率良く記録する為、Ca^<2+>イメージング法の適用を新たに試みた。5×10^<-5> M 2-heptanone(フェロモン物質)のみならず、同濃度のtrans2-hexenal(青葉アルデヒド)でもCa^<2+>応答が生じた。このことは、みどりの香り(生理活性作用を有する)が主嗅覚系のみならず鋤鼻系を介して(おそらく神経内分泌的に)生体に影響を及ぼす可能性があることを示唆した。
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