配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2006年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2005年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2004年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
|
研究概要 |
病変進行に伴う生体の構造変化によって,超音波の散乱源となる散乱体の分布状況が変化し,結果的に超音波診断装置で取得されるエコー信号の振幅分布特性が変化することを明確にするための検討を行った。 計算機シミュレーションで作成したエコーデータおよび擬似生体試料において収集したエコーデータを用いて,Q-Qプロットによる振幅分布特性の解析を行った結果,媒質中に散乱体が均一に分布している場合においては,散乱体密度に関わらずある特定の確率分布(レイリー分布,ワイブル分布,k-分布など)で近似可能であることが確認された。 一方で,正常な肝臓程度の散乱体密度の媒質中に,低密度な部位が混在した場合,均質媒質の場合と同様にQ-Qプロットの結果は直線を呈し,k-分布などでの近似が可能であるが,その精度は低下した。そこで,プロット結果の詳細な解析を行ったところ,曲線性を有し,その曲率が低密度部位の密度および混在率に依存することが確認された。また,均質媒質に高密度部位を混在させた場合においても同様の傾向が見られるが,曲率の正負が反転するとともに,曲線性が顕著に現れることが確認された。 これらの結果を元に,肝炎などのように均質な組織中に複数の病変部位が混在する症例を対象として,Q-Qプロットの結果から正常部位と病変部位の混在率を判定するための指標を提案し,シミュレーションデータに適用したところ,良好な結果が得られた。今後,臨床データを用いた検証を進める予定である。
|