研究概要 |
本年度は主に次の事項について開発を行った:無線機能内蔵モニタリングシステムのユニットについて,(1)昨年度に引き続きセンサユニットを増加し,(2)汎用センサの適用可能性についての評価(どのような家電製品の使用状況が把握可能か),(3)ユニットの設置場所と家電製品のon/off判別の性能評価(雑音比の調査),そして(4)ユニットが一般的な人々の手によって導入可能であるか再評価を行った.その結果,(2)炊飯器をはじめ電気ポットや炊飯器など日常生活で使うと考えられる家電製品ほぼすべてに適用可能であることが,また(3)対象機器に接するよう配置すればSN比が高いことが確認された.また(4)従来の電流計によるシステムと比較しても本システムはより容易に導入可能で,その場合にも十分なSN比が確保されることが確認された.最終年度として,長期的なモニタリングの適用可能性の評価も行った結果,唾眠をふくめて生活リズムが把握できる可能性が示された. またこれと並行して進めている屋内生活行動のモニタリングにRFIDを応用する研究については,咋年度では被験者がRFIDリーダ(電池駆動)を持ち歩くシステムを構築したが,バッテリーを充電する必要があることが問題であった.そこで今年度では,部屋の随所にリーダを取り付け,その中で被験者がタグを持っているという想定で,その場所や向きを推定することができないか検討を行った.その基礎的研究として,直径約30cmの円の円周上にリーダを配置し,その内部にタグを埋め込んだ木製ブロックを置き,位置推定精度と角度推定精度の評価を行った.その結果,タグとリーダの距離がある程度短い範囲であれば位置・方向ともに推定可能であることが確認されたが,今後,人の居住空間程度の大きさに拡張するための技術開発が必要である.
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