研究課題/領域番号 |
16700513
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
食生活学
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
米田 千惠 (米田 千恵) 千葉大学, 教育学部, 助教授 (20361404)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2005年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2004年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | マグロ / 解凍 / 官能検査 / 色 |
研究概要 |
昨年度の成果より、温塩水解凍は冷蔵緩慢解凍に比べて、ドリップ量が少なく、解凍後の色調の優れていることが示された。そこで、温塩水を用いる効果についてさらに検討した。 まず、冷凍メバチ赤身肉、Aランク試料(鮮度良好品)およびCランク試料(鮮度不良品)の2種類につき、約200gのサクを凍結状態で2等分し、それぞれ温水解凍と温塩水解凍により解凍した。解凍過程における温度、重量変化、色(L^*値、a^*値、b^*値)を測定し、解凍後の刺身につき、官能検査(2点比較法)を行った。機器測定の結果、各解凍段階において、温水解凍と温塩水解凍との間に有意差は認められなかった。また、官能検査からAランク試料では、温塩水解凍は温水解凍に比べて、水っぽくなく、粘性、マグロらしい味(うま味)が強いと評価され、温塩水解凍のほうが総合的に好まれた。しかしながら、Cランク試料の官能検査では、両解凍法による差異は明確ではなかった。 次にAランク試料、約300gのサクを凍結状態で3等分し、それぞれ温水解凍、温塩水解凍、冷蔵緩慢解凍により解凍した。解凍後の刺身につき、順位法による官能検査を行い、刺身の内側、外側につき、食塩濃度(原子吸光法)を測定した。官能検査の結果、粘性、塩味、マグロらしい味(うま味)は、温塩水解凍が冷蔵緩慢解凍および温水解凍よりも有意に強かった。また、温塩水解凍/外側および温塩水解凍/内側の食塩量は、それぞれ0.12g/100gおよび0.05g/100gとなり、冷蔵緩慢解凍および温水解凍による刺身の食塩量は、温塩水解凍/内側のそれとほぼ同程度であった。 したがって、温塩水を用いて解凍することにより、鮮度の高い試料では、刺身の外側に食塩が浸透して、水っぽさを低減し、マグロらしい味を強めることが明らかとなったが、色調保持への効果は低く、さらに、鮮度の低い試料においては、温塩水使用の効果は明確ではなかった。
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