研究課題/領域番号 |
16700587
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
文化財科学
|
研究機関 | 独立行政法人文化財研究所奈良文化財研究所 |
研究代表者 |
降幡 順子 独立行政法人文化財研究所奈良文化財研究所, 埋蔵文化財センター, 研究員 (60372182)
|
研究期間 (年度) |
2004 – 2006
|
研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
|
配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2006年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2005年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2004年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
|
キーワード | 出土陶磁器 / 光学的物性 / 釉薬 / 表面風化 / 化学組織 / ベトナム / 青花 / 化学組成 / 光沢計 |
研究概要 |
本研究は、出土陶磁器の紬薬の風化状態、光学的物性、保存修復処理材料の関連性に関する総合的研究であるという特色を有している。陶磁器表面そのものの特性でもある光学的物性を考慮した新しい考え方の保存処理法を確立する研究を進め、出土陶磁器の表面風化に関する基礎的データを蓄積するということの意義は大きいと考える。 本年度は、出土陶磁器の保存処理に用いるための適切な合成樹脂の選定、遺物の状態に対応した保存修復処理法について検討した。今までに、美術品の修復に使用されている合成樹脂を参考に、風化の激しい出土陶磁器の表面処理に適する樹脂を再検討し、樹脂の光学的物性などの基礎的な情報を蓄積することをおこなった。樹脂選定においては、発掘現場や各埋文センターなどで入手が容易である広く市販されている樹脂についても測定をおこなった。さらに、測定した光学的物性や化学組成などと風化状態の関連性について検討をおこない、風化の程度差による樹脂の浸透性の差異や変色について実験をおこなった。また、実際の遺物に対して行った保存修復処理後の光学的物性の変化を測定したが、資料の経時的な変化については、今後も継続的な調査をおこなうこととしている。さらにガラスなど他の出土遺物の保存修復処理に対しても適応可能であると考えている。 出土陶磁器については、中国や韓国などの東アジア地域においても数多く出土し、接合などの修復がおこなわれているため、各地の保存修復担当者との情報交換のために、東アジア文化財保存修復国際会議にて研究成果を発表し情報収集をおこなった。
|