研究課題/領域番号 |
16710023
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
環境影響評価・環境政策
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研究機関 | 大分県立看護科学大学 |
研究代表者 |
定金 香里 大分県立看護科学大学, 看護学部, 助手 (20322381)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2005年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2004年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | ディーゼル排気微粒子 / アトピー性皮膚炎 / NC / Ngaマウス / ダニ抗原 / 総IgE / ダニ抗原特異的IgG1 / ディーゼル排ガス曝露 / IgE抗体 / ピクリルクロライド |
研究概要 |
本研究は、ディーゼル排ガス(以下DE)がアトピー性皮膚炎(AD)に及ぼす影響を調べるために、ディーゼル排気微粒子(DEP)抽出物塗布実験およびDEの曝露実験を行うことを目的とする。 これまでに、ピクリルクロライド誘発性ADモデルマウスに、DEP抽出物(2mg/body)を塗布するとアトピー性皮膚炎の発症が早まり、かつ症状が増悪することを見いだした。H17年度は、より日常環境に近い条件で検討するために、ADの発症原因のひとつと考えられているダニ抗原を用いてADを誘発するモデルを用い、また、より低濃度(0.25mg/body)のDEP抽出物を塗布する実験を行った。NC/Ngaマウスに10μgのダニ抗原及び1mgのAlumを腹腔内に投与し初期感作した。その2週後から2日毎に計11回、ダニ抗原5μgをマウス外耳に皮下注射しアトピー性皮膚炎を誘発した。初期感作の3時間後にDEP抽出物を外耳にチップで丁寧に塗り広げた。5回目のDEP抽出物塗布までは週に1回、それ以降は2日毎に塗布し、計8回、行った。ダニ抗原を外耳に皮下注射した翌日に皮膚症状の観察および耳介厚の測定を行った。また病理的・生化学的解析を行うために最終抗原投与の翌日に屠殺し、耳介組織および血清を採取した。抗原の皮下注射を繰り返したことにより、乾燥、創傷、びらんなどの発症・増悪、耳介の肥厚が認められたが、DEP抽出物塗布の影響はみられなかった。血清中の総IgE抗体産生量、抗原特異的IgG1抗体価にもDEP抽出物塗布による変化はみられなかった。皮下組織中のマスト細胞数においては、やや増加傾向がみられたが有意な差は認められなかった。これまでの結果からは、低濃度のDEP抽出物の塗布によるアトピー性皮膚炎の増悪作用はみとめられなかった。現在、組織中サイトカイン産生に関して解析中である。
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