研究課題/領域番号 |
16710036
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
放射線・化学物質影響科学
|
研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
白石 一乗 大阪府立大学, 産学官連携機構, 助手 (40347513)
|
研究期間 (年度) |
2005 – 2006
|
研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
|
配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2005年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2004年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
|
キーワード | 放射線 / 次世代影響 / マウス / 遺伝的不安定性 / 突然変異 / 復帰突然変異 |
研究概要 |
1.目的 これまでの放射線による突然変異誘発機構の理解は、放射線によるDNA損傷が、一定の確率で修復間違いや複製間違いを引き起こし、これが突然変異として固定されるというものであった。しかしながら、従来考えられていた放射線影響のみでは説明できない現象も存在する。我々はマウスを使った実験で、放射線が直接的に突然変異を誘発する意外にゲノム不安定性を誘導し、これが2次的に突然変異を誘発する可能性をメラニン合成系に関与するpink-eyed dilution(P)遺伝子を指標に検証した。これまでに我々は、照射を受けた雄マウスから生まれた次世代マウスでは父親由来の遺伝子座のみならず、照射を受けていない雌由来の遺伝子座においても突然変異頻度上昇を報告している。本年度では精子照射の時期を分けることで、遺伝的不安定性が誘導される条件を検討した。さらに、次次世代でのマウスにおける突然変異を観察することで遺伝的不安定性の世代間の伝搬についての検討も行った。 2.研究経過および成果 照射された雄マウスを精子形成の各段階、すなわち精子期、精細胞期、精原細胞期の各段階で交配させた。そこから生じた子マウスについてPun遺伝子を指標とした復帰突然変異頻度を調べると精子期照射では有為に上昇していたが、それ以外の精細胞、精原細胞期では上昇していなかった。また、精子期照射により得られた、雄マウスをさらに交配させることで得られた孫世代のマウスでも復帰突然変異頻度上昇は観察されなかった。以上の結果から、照射精子の誘導する子世代のマウスに見られる遺伝的不安定性は精子期照射でのみ観察される特殊な現象であることが示唆された。
|