研究課題/領域番号 |
16710060
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
環境技術・環境材料
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研究機関 | 独立行政法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
山本 拓司 独立行政法人産業技術総合研究所, 環境化学技術研究部門, 研究員 (30358288)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2005年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2004年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | カーボンゲル微粒子 / 環境汚染物質 / ナノ細孔特性 / 液相吸着 / 単分散 / カーボンゲル粒子 / フェノール / 色素 |
研究概要 |
本研究では、新規ナノ細孔カーボンであるカーボンゲル微粒子を、微量環境汚染物質の高機能吸着剤として用いるための基盤技術を開発した。第1に、カーボンゲル微粒子の細孔構造制御手法を構築し、水中の微量有機物に対する優れた吸着特性を明らかにした。第2に、カーボンゲル微粒子の合成過程に新規手法を導入することで、従来に無く均一な粒子径を有するカーボンゲル微粒子の合成に成功した。第3に、モデル吸着質を用いた液相吸着実験の結果、カーボンゲル微粒子の細孔径の調節により、モデル吸着質の吸着量を制御可能であることを示した。 以下、成果の内容を具体的に説明する。まず、カーボンゲル微粒子の細孔構造に及ぼす、レゾルシノール・ホルムアルデヒド(RF)水溶液中のアルカリ触媒の濃度の影響をサーモポロメトリーで検討した結果、微粒子の細孔径、細孔容積および比表面積の高度制御方法を確立した。また高解像度電子顕微鏡撮影によりカーボンゲル微粒子の内部構造を観察した結果、細孔表面が極めて特異な層状炭素構造を有することを見出し、水中の有機物に対して適した表面特性を有することを示した。また、従来の逆相乳化重合法では変動係数(粒子径の標準偏差/平均粒子径×100)が50%以上だったのに対し、本研究中で開発した方法により変動係数が15%以下と極めて小さい単分散カーボンゲル微粒子の開発に成功した。さらに、色素(Black5およびReactive Red E)をモデル吸着質としてカーボンゲル微粒子への吸着等温線を測定することで、吸着量と細孔構造との相関関係を明らかにした。 本研究期間内には、微量環境汚染物質の高効率吸着分離システム開発には至らなかったが、単分散カーボンゲル微粒子の製造方法の確立は本技術開発における鍵となるものであり、微量環境汚染物質の高効率分離システムを開発する上で重要な指針が得られた。
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