研究課題/領域番号 |
16710061
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
ナノ構造科学
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研究機関 | 独立行政法人産業技術総合研究所 (2006) 東北大学 (2004-2005) |
研究代表者 |
今村 裕志 独立行政法人産業技術総合研究所, ナノテクノロジー研究部門, 主任研究員 (30323091)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2006年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2005年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2004年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | 光子 / 電子スピン / 量子情報転写 / 半導体量子井戸 / g因子工学 / 歪み工学 / ホール / 閉じ込め効果 / 閉じこめ効果 / 量子情報 / 量子ドット / スピン / 偏光 / デコヒーレンス / g因子 / 磁場 |
研究概要 |
1.東北大学・電気通信研究所の小坂グループとともに単一光子から単一電子スピンへの量子状態転写の確認を行った。実験では電子スピンのg因子を0.01に制御したGaAs/AlGaAs量子井戸を用いた。量子井戸面内に外部磁場を印加した状態で光子を入射させ電子スピンへ光子の量子状態を転写する。量子状態が転写された電子スピンは、コヒーレントに量子上体が転写されていれば外部磁場の回りに回転する。この回転をKerr効果を用いて観測し、量子状態転写が実際に起きていることを確認した。我々のグループは、g因子を制御するための量子井戸の井戸幅の見積もり、電子と同時に励起された正孔が量子状態転写に与える影響の解析、励起される電子スピンがKerr効果で観測可能であることの理論的な裏づけを行った。 2.昨年度に引き続き半導体量子ドットにおける単一光子から単一電子スピンへの量子状態転写のダイナミクスを記述する理論モデルの構築と、数値シミュレーションを用いた高い忠実度と転写確立を実現するための素子パラメータの見積もりを行った。昨年度の解析から特に改良した点は、量子状態転写における自然放出の影響を考慮したモデルの構築および強結合領域での解析の2点である。昨年の解析では高い転写確立を得るための条件として光子-量子ドット結合強度と量子ドットからのホールのトンネルレートの両方をスペクトル幅よりも大きくとり、かつマッチング条件を満たす必要があることを示した。本年度の解析ではさらに、共振器の減衰率が入射光子のバンド幅よりも大きくなければならないことを示した。
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