研究課題/領域番号 |
16710070
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
ナノ構造科学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
檜枝 光憲 名古屋大学, 理学研究科, 助手 (30372527)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2005年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2004年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | 水晶マイクロバランス / ナノトライボロジー / ナノ多孔体 / ヘリウム / 界面摩擦 / 超流動 |
研究概要 |
本研究は水晶マイクロバランス(QCM)法を用いて、ナノ多孔体中に吸着したヘリウム原子膜の界面摩擦とスリップ現象の研究を行うことを目的としている。平成17年度は本研究課題の最終年度として、以下の研究実績を得た。 (1)ポーラスゴールドQCMを用いて、ポーラスゴールド中に満たされた液体^4Heの超流動転移の研究を行った。超流動状態は、界面摩擦がゼロの状況でのスリップ現象の研究を可能にする。その結果、ポーラスゴールド中では、超流動転移温度がバルクの場合より6mK下がった。超流動密度の臨界指数ζは0.72±0.03で、過去に測定されたバルクの液体^4Heの値0.6705±0.0006と同程度となった。 (2)電気通信大学の鈴木(勝)グループとの共同研究により、QCM法によりポーラスゴールド中のヘリウム原子膜のスリップ現象の測定を行った。低温において、^4He膜とポーラスゴールド間の界面摩擦が小さくなることが明らかになった。また、スリップ現象の面密度依存性を明らかにした。 (3)QCMのさらなる高感度化を目指し、早稲田大学の黒田グループとの共同研究によりナノポーラスシリカを付着したQCMの製作に取り組んだ。すでに、直径40Åの1次元細孔を持つナノポーラスシリカ膜でコーティングされたQCMの作製に成功し、極低温環境での動作テストを行った。今後、本技術を用いて、スリップ現象の精密測定や次元性の影響を調べる研究などに利用できると期待される。 研究成果(1)、(2)については、日本物理学会、国際低温物理会議(LT24)において、口頭及びボスターにおいて学会発表を行った。
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