配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2005年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2004年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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研究概要 |
本研究は,スピングラスでは無数の秩序が多重に共存するという理論予測を検証し,そうした各秩序に対応するナノドメインに期待される特異な成長・縮退過程を利用した取捨選択機能を有する大容量多重記録の実現可能性を探ることを目指している.本年度は,典型的なスピングラス物質を用いて取捨選択機能を予言する液滴模型についてその妥当性を明らかとするとともに,前年度に見出した実用的に価値のある高い温度でスピングラス的性質を示すナノグラニュラー磁性体の特性を整理し,確かに大容量多重記録が実現可能であることを示した. 1.典型的なスピングラス物質である銅マンガン希薄磁性合金を用いて,交流磁化率や磁化の緩和におけるメモリ効果と若返り効果を詳細に解析し,その結果から等温及び温度摂動下でのスピングラスナノドメインの成長・縮退過程に関して液滴模型が妥当であることを確かめた. 2.この結果,取捨選択機能の原理的可能性が確認できたので,磁気結合が強く高い転移温度が期待できる実用材料の中にそうした機能を付加できることを示すために,前年度にスピングラス的挙動を見出たナノグラニュラー磁性体が典型的なスピングラス物質同様のメモリ効果と若返り効果を室温付近にて顕著に示すことを明らかにした。すなわち,実用的な取捨選択機能を有する大容量多重記録の実現性があることがわかった.
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