研究課題/領域番号 |
16710093
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
ナノ材料・ナノバイオサイエンス
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研究機関 | 分子科学研究所 |
研究代表者 |
中川 剛志 分子科学研究所, 分子構造研究系, 助手 (80353431)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2006年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2005年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2004年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 走査トンネル顕微鏡 / 光電子放出 / 表面磁性 / ナノ磁性 |
研究概要 |
我々はレーザーによる光電子放出とトンネル現象を利用した新しい走査トンネル顕微鏡を考案した。この原理ではレーザーの偏光と表面スピンの方向との間に明確な関係が成り立つことが予想され、スピンの方向を決定できる。また、原子分解能も期待できると考えている。以上のような特徴を持った測定手法の開発を進めている。 平成18年度は光電子放出の磁気円二色性(MCD)の顕微鏡への適用を試みた。走査トンネル顕微鏡への適用が課題の主目的であるが、まず空間分解能が劣る光電子顕微鏡にて磁区観測実験を行った。光電子顕微鏡は空間分解能50nm程度の顕微鏡であり、光学顕微鏡と同様で走査部がないため高速測定ができる。実験はNi10層をCu(001)蒸着した試料にて行った。光源はHeCdレーザー(325nm,3.81eV)を使用した。レーザーのエネルギーと試料の仕事関数をほぼ一致させるためにアルカリ金属であるCsを蒸着して、仕事関数を低下させ、制御した。測定の結果、光電子顕微鏡により空間分解能〜100nm程度で磁区が明瞭に観測することがわかった。 MCD強度が最も強くなる条件(仕事関数と光のエネルギーが一致したとき)はトンネル光電子を測定するときの条件と同じであり、STMにより磁化測定ができる望みを大いに持たせるものである。しかし、測定は走査トンネル顕微鏡の安定性が重要な要因と考えられ、今後さらに実験環境を整備し、走査トンネル顕微鏡による磁区観測実現へ向け研究を進めて行く。
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