研究課題/領域番号 |
16710094
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
ナノ材料・ナノバイオサイエンス
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研究機関 | 独立行政法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
田中 美代子 独立行政法人物質・材料研究機構, 超高圧電子顕微鏡ステーション, 主任研究員 (50354329)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2005年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2004年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
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キーワード | 電子誘起蒸着 / 集束電子線 / 有機金属ガス / ナノドット / ナノロッド / 超高真空電子顕微鏡 |
研究概要 |
本研究は、超高真空環境下で原料ガス圧を自在に変化させ、集束電子線照射により金属ナノドットの作製を実現するとともに、種々の原料ガスを用いることで各種元素のナノドットを作製し、その構造を解析しまた特性を評価することを目的としている。平成17年度は、昨年度得られた蒸着の最適条件を用い、純度の高いナノドット及びナノロッドの作製とその評価を行った。原料ガスとしては、ナノドットに含まれる金属量が最も多い、W(CO)_6、Mo(CO)_6、Fe(CO)_5等のカルボニル系のガスを用いた。蒸着条件はガス圧2x10^<-6>Pa、ビームサイズ2nm、電流密度1-5x10^4A/cm^2である。 電子誘起蒸着法が克服すべき最大の課題は、作製物に含まれるカーボンの除去である。カーボンは、背景真空に存在するハイドロカーボンや、試料自身の汚染、原料の有機金属ガス自体に含まれる。これを最大限少なくするため、超高真空環境の利用、試料の加熱清浄化、高温での蒸着を行った。基板試料はSi(111)を用い、これをTEM試料とした後、加熱清浄化により7x7表面再構成を得た。室温蒸着では極微量のカーボンの残留が見られたが、高温蒸着の場合、ナノ蒸着物からカーボンは検出されなかった。このことから、原料有機金属ガスに含まれるカーボンも、試料温度を上げ有機ガスの付着確率を下げることで、除去可能であることが分かった。また、この場合原料ガスに含まれる金属は基板と反応することが多く、特にFe(CO)_5の場合はcubicタイプのFeシリサイドが形成された。この時、試料面がジャスト方位のものの場合、蒸着物はシリサイドナノドットとなったが、ジャストからオフセットがある場合、110方向に沿ったナノロッドが形成された。
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