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適応としての翻案:ギリシア悲劇翻案からの翻案理論の構築

研究課題

研究課題/領域番号 16720024
研究種目

若手研究(B)

配分区分補助金
研究分野 美学・美術史
研究機関関西大学 (2005-2006)
京都工芸繊維大学 (2004)

研究代表者

若林 雅哉  関西大学, 文学部, 助教授 (30372600)

研究期間 (年度) 2004 – 2006
研究課題ステータス 完了 (2006年度)
配分額 *注記
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2006年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2005年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
キーワード翻案 / ギリシア悲劇 / パロディ / アダプテーション / アプロプリエーション / 作品 / 著作権 / 適応 / adaptation / 受容 / 川上音二郎 / オリジナリティ / 演劇 / ミュラー / ゲッペルス
研究概要

三年の研究期間全体にわたって、ギリシア悲劇からの翻案制作(とくにH.ミュラーや川上音二郎など)について、歴史的な作例研究と、受容層・ジャンルへの「生物学的適応」の観点からの理論的考察をおこなってきた。すなわち、われわれが「正典」(canon)としてもつギリシア悲劇が、時代に適応して"生き残る"ために、いかなる変貌を遂げなくてはならなかったのかを分析してきた。
平成18年度は理論的な総括として、この「生物学的適応」としての「翻案」(アダプテーション)を、隣接概念である「流用」(アプロプリエーション)とともに再検討し、また現行の著作権法制度のなかで考察した。「翻案」(アダプテーション)は、正典への敬愛を明示し、その権威によって生き残ろうとする。オリジナルのもつ有機的身体性に固執しつづける側面は、日本の現行著作権法における(二次的著作物としての)翻案概念と良く一致している。とりわけ、同法がみとめる翻案権が翻案"させる"権利として規定されていることに見てとれる。他方、「流用」(アプロプリエーション)は往々にして原著作物への批評や椰揄の形をとり、オリジナルにとって代わろうとして、新しい有機的身体性を構成する戦略をとる。これに対応するように、日本とは異なる著作権制度(たとえばアメリカのフェア・ユース規定やフランスのパロディ条項)のなかでは、このアプロプリエーション的な翻案把握・批評性を反映して、翻案"する"権利が重視されている。ここには、個々の作例の歴史的な適応現象を越えて、翻案概念自体の著作権法制度との適応関係をみることができる。今年度の成果は雑誌『美学』に投稿準備中であるが、その一部は、京都国立近代美術館・「醜と排除の感性論」共催の公開講演会(平成18年8月26日、京都国立近代美術館講演室)において、口頭発表した。

報告書

(3件)
  • 2006 実績報告書
  • 2005 実績報告書
  • 2004 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 裁判劇の系譜と川上音二郎『又意外』-「西洋種」・探偵・裁判劇2005

    • 著者名/発表者名
      若林 雅哉
    • 雑誌名

      哲学(関西大学哲学会編) 25

      ページ: 63-87

    • NAID

      110006161235

    • 関連する報告書
      2005 実績報告書

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公開日: 2004-04-01   更新日: 2016-04-21  

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