1.伝本調査および関連資料収集作業 和鋼博物館・刀剣博物館・東京大学史料編纂所を中心に、各機関に所蔵されている文献・写真帳等を調査し、刀剣伝書および伝書の生成と展開に関する書物群の伝本調査を推進した。書誌カードとして成果を累積し、それらをパソコンに入力した。また、デジタルカメラでの撮影や複写によって原本の写真版を手元に集め、伝本分類作業をおこなった。前年度までの調査に加えて、新たな中世にさかのぼる内容を持つ伝本を複数見出し得た。 2.本研究のまとめ 本研究のまとめして、「中世刀剣伝書伝本一覧(稿)」を作成し、公表した(鈴木彰『平家物語の展開と中世社会』<汲古書院2006>に掲載)。また、本研究で収集した関連資料とあわせて、将来的に「室町期刀剣文化関連資料集」(仮称)を公表するべく、整理を続けた。本年度の成果を盛り込み、初発的な完成を期したい。また、軍記物語との関連という観点からの論文「源家重代の太刀と曾我兄弟・源頼朝--『曾我物語』のなかの「鬚切」「友切」--」をまとめた(『軍記物語の展望台』(和泉書院・2006刊行予定。校正中)に掲載予定)。 3.研究成果の公表 2にも記したような著書と論文を公刊・執筆した。また、本研究の過程で得た知見を盛り込んだ研究発表もおこなった(軍記・語り物研究会大会 2005.8 於名古屋大学)。その内容についても、同会の機関誌「軍記と語り物」42号(校正中)に掲載予定である。
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