研究課題/領域番号 |
16720053
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
ヨーロッパ語系文学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
岩田 美喜 東北大学, 大学院・文学研究科, 助教授 (50361051)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2005年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2004年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | モダニズム演劇 / ルネサンス演劇 / ポストコロニアリズム / 社会受容史 / ディアスポラ / 言語行為論 / アイルランド研究 / 現代詩 / 神秘思想史 / 古典劇 / 神秘思想 / 宗教演劇 / アイルランド / 能楽 |
研究概要 |
研究期間の最終年度にあたる当該年度は、「17世紀からモダニズム演劇に至る長期的な視点で演劇と政治のダイナミズムを捉え直す」という本研究の統括と成果発表に力を入れた。2006年5月20-21Hに中京大学で開催された第78回日本英文学会では、「英文学とく文明化>の変遷」と題するシンポジウムにパネリストとして参加した。そこで、英語演劇のステレオタイプの一つ、<アイルランド訛りで話す野暮な笑われ役>が、標準英語教育熱の高く言語的な差別化が行われていた18世紀のロンドンで、当のアイルランド人劇作家によっても表象されていたことを指摘し、逆説的だが、そこには政治的な転覆性があったと論考した。この発表は同大会プロシーディングズに論文として掲載された。 2006年9月16-17Hに慶應義塾大学で行われた日本イェイツ協会第42回大会では、「再び、『煉獄』をめぐって」と題するワークショップにパネリストとして参加し、イェイツの『煉獄』の手稿から、彼がこの戯曲を完成させるまでのプロセスを追い、20世紀後半の不条理演劇に肉薄するようなモダニズム性で名高いこの作品が、実はルネサンス英国演劇の遺産を多分に受け継いでおり、ナショナル・アイデンティティの問題が衝突している作品であると分析した。イェイツとルネサンス演劇にとの錯綜した影響関係に関しては、このほか「復活祭蜂起とく世界劇場>-イェイツにおける政治・魔術・シェイクスピァー」と題する当該研究者の論文を収めた『テキストとコンテキストをめぐって』という論文集が、2006年9月に英宝社より出版された。 また、言語的なディアスポラ体験というテーマを敷衍し、日本で長らく活動していた現代詩人ピ一ター・ロビンソンの詩を、イェイツの「サーカスの動物たちの脱走」などと比較しつつ論じた論文"His Other Islands : Peter Robinson, Languages, Traditions" を収めた論集 The Companion to Peter Robinsonが英国のSalt Publishersより、2007年3月に出版された。 以上が、当該年度に挙げた主たる研究成果である。
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