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ヴァレリーの散文詩に見られる「現代性」

研究課題

研究課題/領域番号 16720057
研究種目

若手研究(B)

配分区分補助金
研究分野 ヨーロッパ語系文学
研究機関大阪教育大学

研究代表者

井上 直子  大阪教育大学, 教育学部, 助教授 (80314441)

研究期間 (年度) 2004 – 2005
研究課題ステータス 完了 (2005年度)
配分額 *注記
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2005年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2004年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
キーワードヴァレリー / 現象学 / メルロ・ポンティ / ポール・ヴァレリー / 散文詩 / メルロ=ポンティ / 言葉と事物
研究概要

本年度は、前年度に行ったヴァレリーの散文詩の分析、及び、現象学がとらえようとした「外界と自我の関わり」の考察、という研究成果をふまえ、ヴァレリーの散文詩と現象学との類似を明らかにした。ヴァレリーの散文詩に現れる主体は、身体を持つことで「深み」を持つ世界に溶け込み、主体と客体は役割を自由に交代するようになる。この性質をさらに深く分析するため、特に、カイエに書き込まれた自我と外界に関するテクストを取り上げ、ヴァレリーの「私」が持つ性質の持つ二つの性質、すなわち、世界から身を引いた超越的主体としての性質と、世界と絡まりあっていく経験的主体としての性質を明らかにした。ヴァレリーの思想で重要なことは、フッサール、メルロ・ポンティと同様に、デカルト以来の「考える我」から「身体を持つ我」に基盤を移し、そこから世界と私の関わりを新たに考察しようとしたことである。この転換により、「私」は他者の眼差しによって捉えられることになる。ヴァレリーの中心テーマであった自己認識があくまでも自分の意識でなされるのに対し、まなざしにおいては他者が「私」を作り上げる。申請者はこの点に注目することで、他者との関わりによって作り上げられる「私」が、ヴァレリーの思想の中で重要な役割を持つことを明らかにした。このような「私」の性質は、メルロ・ポンティが幾度も言及した「事物から見られる私」に通じるものがある。申請者は、この点をメルロ・ポンティのテクストから取り上げて分析することで、ヴァレリーとメルロ・ポンティの類似点を挙げ、ヴァレリーの持つ思想の新しさを示した。

報告書

(2件)
  • 2005 実績報告書
  • 2004 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] L'apparaitre des chases -Valery, poete en prose-2005

    • 著者名/発表者名
      Naoko INOUE
    • 雑誌名

      Gallia 44号

      ページ: 17-24

    • 関連する報告書
      2005 実績報告書
  • [雑誌論文] ヴァレリー・キーワード10 現象学2005

    • 著者名/発表者名
      井上直子
    • 雑誌名

      現代詩手帖 10月号

      ページ: 136-137

    • 関連する報告書
      2005 実績報告書

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公開日: 2004-04-01   更新日: 2016-04-21  

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