研究課題/領域番号 |
16720080
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
言語学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
李 連珠 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 助手 (50361548)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2005年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2004年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 韓国慶尚北道 / 大邱方言 / 尚州方言 / 蔚珍方言 / アクセント体系 / 中期朝鮮語 / 傍点 / 対応関係 / 韓国語慶尚北道方言 / 漢字語アクセント / 漢字1字1字のアクセント / 外来語アクセント / 尚州アクセント / 複合語アクセント |
研究概要 |
1.フィールド調査:平成17年夏、韓国慶尚北道の大邱・尚州・蔚珍地域に出かけ、これまでの調査で漏れのあるデータを補充、補うためのアクセント調査を行った。 2.研究成果:本人は、本研究に先立ち、韓国語慶尚道のアクセント体系について先ず大邱方言を持って、その音声学的な特性のみならず音韻論的解釈を基にしたアクセント記述・アクセント解釈を発表した。その結果、大邱方言のアクセントは下げ核の有無と位置を決めるだけで、その音韻論的特性を表すことができると分かった。さらに、名詞の曲用形・複合名詞形成・漢字語の形成・用言の活用等における語形成の際には、一貫したアクセント規則が働いていることを明らかにした。 本研究期間中では、語形成の課程において一貫して働いているアクセント規則のようなものが、大邱方言だけではなく、慶尚北道の中で同じく多型アクセントと言える蔚珍方言、3型アクセントとされる尚州方言においても存在することが分かった。 さらに、本研究期間中に新しく分かったことは、現代慶尚道方言の「語形成におけるアクセント規則」と15世紀〜16世紀に書かれた中期朝鮮語の文献資料に記されている傍点資料との間に規則的な対応関係があるということである。中期朝鮮語の文献は、傍点という表記法で当時のアクセントなり、イントネーションを表記しているが、従来その音韻的解釈が明らかにされていなかった。本人の大邱方言におけるアクセント研究成果の一つとして、漢字一字一字のアクセントを予測できるようになったことが、中期朝鮮語において音節ごとに表記していた傍点の性質を解く手がかりとなった。 今後の研究課題としては、共時的研究対象即ち現代諸方言の研究領域をさらに拡大して行くとともに中期朝鮮語の文献資料もより広く調査し、韓国語全般のアクセント体系を明らかにしていきたい。
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