研究課題/領域番号 |
16720096
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
言語学
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
奥村 佳代子 関西大学, 文学部, 助教授 (10368194)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2005年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2004年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 唐話 / 唐通事 / 岡島冠山 / 官話 / 白話 / 『太平記演義』 |
研究概要 |
1岡島冠山の資料の位置づけ 唐話資料を大きく2種類(唐通事資料とそれ以外の資料)とに分類し、それぞれについてその特徴を分析する際、中間的な位置づけとなり、具体的に両者の違いを示しうる資料として岡島冠山の資料を位置づけることができる。その前提のもとで、岡島冠山の資料の特徴を分析することにより、唐通事資料の特徴は次の点を挙げることが可能である。すなわち、(1)語彙が均質である(2)文言的な要素が少ない(3)白話的な要素が少ないの3点である。(1)は、岡島冠山の資料および唐通事ではない日本人による資料と、代名詞や語気助詞を比較することによって明らかである。(2)(3)は、唐通事資料は話される、あるいは声に出されることを前提としており、それ以外の資料、なかでも儒学者や作家による資料は、発音されることより読まれることを前提とするがゆえに、「書き言葉」に工夫を凝らし、技巧を加えるという行為を積極的に行ったと考えられる。 2唐話の多層性について 1に挙げた2種類の唐話資料に代表されるように、江戸時代には、官話を意識したより本来の中国語の姿に近い唐話と、乖離した唐話とがあり、「唐話世界」と呼ぶことのできる言語世界が形成されていたと考えられる。 1と2を総合すると、(1)「書き言葉」である漢文と同じく「書き言葉」である白話から受けた影響、(2)唐話と白話との関係、(3)唐話と官話との関係を解明することが、今後の重要な課題であることがわかった。
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