研究課題/領域番号 |
16720101
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
日本語学
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
小林 英樹 群馬大学, 教育学部, 助教授 (60312865)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2006年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2005年度: 200千円 (直接経費: 200千円)
2004年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
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キーワード | 漢語 / サ変動詞 / 意味 / 用法 / 「所持(する)」 / 「所有(する)」 / 「販売(する)」 / 「売却(する)」 |
研究概要 |
本年度は、以下のことに取り組んだ。 1.「映画化(する)」の「化」など、漢語を構成する言語単位の造語機能について分析を行った。その成果を、小林英樹(2006)「漢字の造語機能」(『朝倉漢字講座2 漢字のはたらき』)として、まとめることができた。 2.「助けることを表す漢語サ変動詞」の分析に取り掛かった。その結果、以下のようなことが明らかになった。(1)通常は、危険なところから安全なところに移せば(救出すれば)、助けたことになるが、救出しても、助けたことにならない場合(手遅れのケース)もある。(大島署や地元消防団員らに5日午前9時50分に救出され、病院に運ばれたが、すでに死亡していた。(朝日新聞1993年7月5日))(2)助けることから許すことに移行しつつある「救済(する)」がある。(恩赦は平成に入ってから「大喪恩赦」(89年)と「即位の礼恩赦」(90年)の2回あり、いずれも政令恩赦として行われ、選挙違反者が大量に救済された。(朝日新聞1993年5月6日))以上のようなことを、小林英樹(2006)「漢語サ変動詞の意味・用法の記述的研究-「救助(する)」、「救出(する)」などをめぐって-」(『日本語文法の新地平1形態・叙述内容編』)として、まとめることができた。 3.「建てることを表す漢語サ変動詞」の分析に取り掛かった。その結果、以下のようなことが明らかになった。(1)「建築(する)」は、モノ名詞として使うことができるが、「建設(する)」、「建造(する)」、「建立(する)」は、モノ名詞として使うことができない。(古い{建築/*建設/*建造/*建立}の保存に熱心だ。)(2)内項になるものの範囲は、「建設(する)」の方が「建築(する)」よりも広い。(新庁舎を{建設/建築}する。ヨルダンとの連合国家を{建設/*建築}する。)以上のようなことを、小林英樹(2007)「漢語サ変動詞の意味・用法の記述的研究-「建築(する)」、「建設(する)」などをめぐって-」(『語学と文学』43)として、まとめることができた。
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