研究課題/領域番号 |
16720115
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
英語学
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
松原 史典 高知大学, 教育学部, 助教授 (50328712)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2006年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2005年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2004年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
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キーワード | 不定詞句補部 / ミニマリスト / 例外的格付与(ECM) / TP分析 / ECM動詞 / want型動詞 / believe型動詞 / 受動化 / 受動文 / by句 / 格吸収 / 例外的格付与 / 受動形態素 / ミニマリスト・プログラム / 例外的付与構文 / 受動動作主 |
研究概要 |
ミニマリスト統語理論の枠組みで、特にbelieve型とwant型の不定詞句補部に焦点をあてた。Chomsky(2005)によれば、raising TとECMTの主語は、主語条件に従わないことが指摘された。つまり、主語からの抜き出しが可能というわけである。そこで、本研究では、この立場が妥当なものであるのかどうかを検証するために、believe型以外のECM構文、使役の非定形節、知覚の非定形節、小節などの主語からの抜き出しが可能であるのかどうかを論証した。 さらに、これまでの先行研究で、believe型とwant型の不定詞句補部の構造がどのように区別されてきたかを観察し、Boskovic(1997)やLasnik and Saito(1991)などの分析に対して問題点をいくつか指摘した。代案として、これまで明確にされていない両者の統語的類似点(主語からの抜き出し、文副詞の生起、主語からの外置、等位接続など)を提示することにより、believe型動詞とwant型動詞はともにECM動詞であることを主張した。また、なぜwant型の不定詞句主語は、受動化されないのかという問題を取り扱った。仮説として、want型他動詞は、φ素性と格素性を持つが、want型受動動詞は受動化によりφ素性を失う(格素性はそのまま保持する)ことを提案した。この点に関しては、今後の研究課題でもある。 上記の研究は、ECM動詞の不定詞句補部主語が主節へobject raisingを行うのかどうかという問題を解き明かすことになる。本研究では、多くのネイティブスピーカーが、ECM主語が主節へ繰り上がるのに抵抗を感じるという調査結果を得た。この事実を、Chomsky(2005)の枠組みでどのように捉えるのかは今後の課題と言える。
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