研究課題/領域番号 |
16720143
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
史学一般
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
高橋 彩 北海道大学, 留学生センター, 助教授 (10326788)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
2,137千円 (直接経費: 2,137千円)
2006年度: 337千円 (直接経費: 337千円)
2005年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2004年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 医療・福祉 / 国際援助 / 人材育成 / アメリカ / 日本 / ロックフェラー / 戦間期 |
研究概要 |
平成18年度は、収集した資料をもとに戦前までのロックフェラー財団の医療分野における支援の基本的な政策を外観した上で、フェローシップ・プログラムの考察を行った。財団のフェローシップ政策に関わる先行研究、史料、財団の年報(Annual Report)の分析を通して、フェローシップという支援形態の位置づけや、その全体像の把握の難しさを明らかにし論文にまとめた。 年度前半に年報のフェローシップ記述部分を中心に読む作業を行っていたが、複数部門、多地域にわたる授与の実態や変化する年報の記述方法のため、多岐に渡る人材育成への取り組みは認識できたが、この資料からの日本のフェローシップの位置づけ・跡付けは困難であった。 財団が各フェロー毎に作成したフェローシップ・カードを日本のものに関してデータベース化する作業では、対象者の傾向や方向性を統計的に分析できた。この分析は財団の授与の傾向や各フェローのその後のキャリアへの興味、活動分野を把握するのに有効であった。また、カードの記述より財団のフェローへの(経済面以外での)様々なサポートが炙り出された。 尚、分析対象としての画像・絵図資料は当初予想したほど集まらなかったが、研究補助資料としてこれらの記録やコピー等が役立った。 その他戦間期の日本の医療、特に公衆衛生分野への支援の中にフェローシップ・プログラムを位置づけることにより、財団のフェローシップを通した国際的人材育成が、日本での活動の基盤整備として戦略的に行われていたことが確認された。さらに、戦間期の日本の公衆衛生の整備に深く関わった人物数人の日本での活動から、財団のねらいがある程度達成されていたことを限られた範囲ではあるが見ることができた。 これらの研究結果を報告書にまとめた。 当研究からロックフェラー財団の戦略的かつ懐の深い人材育成支援の姿が明らかになった。
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