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朝鮮中世における朱子学の伝来・普及と対モンゴル(元朝)関係

研究課題

研究課題/領域番号 16720167
研究種目

若手研究(B)

配分区分補助金
研究分野 東洋史
研究機関九州大学

研究代表者

森平 雅彦  九州大学, 大学院人文科学研究院, 助教授 (50345245)

研究期間 (年度) 2004 – 2006
研究課題ステータス 完了 (2006年度)
配分額 *注記
4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
2006年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2005年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2004年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
キーワード高麗 / 朱子学 / 元 / 禿魯花 / ケシク / 元版本 / 科挙 / 晦軒実記 / 安〓 / 大学或問 / 近思録
研究概要

本研究は、高麗時代の朝鮮半島に元朝治下の中国より朱子学が伝来・普及した背景について、対元関係を軸に解明するものである。最終年度となる本年度は、まず13世紀末から14世紀初頭にかけての初期段階において、高麗知識人が朱子学を摂取するにいたった契機として、元の禿魯花(turγaγ=質子)制度、および禿魯花が充当されるケシク(kesig=皇帝の宿衛)制度との関連性を総合的かつ詳細に解明した。すなわち根本資料の一角をなす「崔文度墓誌銘」(韓国国立中央博物館所蔵)や『櫟翁稗説』(お茶の水図書館所蔵)の実物調査をふまえた考察を通じ、当該期には安〓・白頤正・李斉賢・崔文度などの朱子学先駆者が、みな禿魯花として、あるいは禿魯花をへてケシクの構成員となった国王・王族のケシク勤務に随従して元都に長期滞在し、そのなかで朱子学に触れた状況が実証的に解明され、元との政治関係が朱子学伝播を媒介する構造の一端が明らかになった。以上の成果は12月9・10日開催の九州史学会大会(於九州大学)において「朱子学の高麗伝来と元朝ケシク制」と題して発表した。
また14世紀の状況について両国交流の制度的環境(外交・交通など)を含めた基礎リサーチを完了した。すなわち14世紀前半には、元で開始された科挙への応試が高麗国内の朱子学学習熱を刺激し、かかる背景のもとで国家規模の蒐書事業が推進され、また高麗国内でも朱子学書が刊行されるにいたった。さらに双方の交流パイプが拡大・深化するなか、元の儒教振興政策・中国知識人の高麗訪問、高麗人の元での科挙受験や仕官にともなう人的交流や留学機会の増加、交易商品としての書籍移入など、朱子学の学習契機にも多様化がみられた。その後14世紀後半には元との関係が冷却化するものの、移入された元版本やその複製本の刊行による基盤整備のもと、高麗国内における朱子学振興の態勢が強化されていったとみられる。

報告書

(3件)
  • 2006 実績報告書
  • 2005 実績報告書
  • 2004 実績報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて 2007 2006 その他

すべて 雑誌論文 (5件)

  • [雑誌論文] 牒と咨のあいだ-高麗王と元中書省の往復文書2007

    • 著者名/発表者名
      森平雅彦
    • 雑誌名

      史淵 144

      ページ: 93-137

    • NAID

      120000987790

    • 関連する報告書
      2006 実績報告書
  • [雑誌論文] 朝鮮における王朝の自尊言識と国際関係-高麗の事例を中心に2007

    • 著者名/発表者名
      森平雅彦
    • 雑誌名

      東アジアと日本 : 交流と変容(九州大学21世紀COEプログラム)(統括ワークショップ報告書)

      ページ: 153-163

    • 関連する報告書
      2006 実績報告書
  • [雑誌論文] 『晦軒実記』刊行始末初探2006

    • 著者名/発表者名
      森平雅彦
    • 雑誌名

      年報朝鮮学 9号

      ページ: 1-73

    • NAID

      40015751232

    • 関連する報告書
      2005 実績報告書
  • [雑誌論文] 朱子学の高麗伝来と対元関係(その一)-安〓朱子学書将来説の再検討-2006

    • 著者名/発表者名
      森平雅彦
    • 雑誌名

      史淵 143輯

      ページ: 65-103

    • 関連する報告書
      2005 実績報告書
  • [雑誌論文] 『晦軒実記』刊行始末初探

    • 著者名/発表者名
      森平雅彦
    • 雑誌名

      年報朝鮮学 第9号(掲載予定)

    • NAID

      40015751232

    • 関連する報告書
      2004 実績報告書

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公開日: 2004-04-01   更新日: 2016-04-21  

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