研究課題/領域番号 |
16720190
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
考古学
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研究機関 | 駒澤大学 |
研究代表者 |
大城 道則 駒澤大学, 文学部, 講師 (00365529)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2006年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2005年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2004年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 考古学 / 歴史学 / 民俗学 / 美術史 / エジプト / 指輪 / ローマ / パルミラ / オアシス / 文化 / 古代ローマ / 彫像 / 装身具 |
研究概要 |
前年度の段階において収集したパルミラの彫像付き指輪の例は約200を超え、それらには左手小指に指輪をはめるという一定の法則が見られることが確認された。そこで本年度は、パルミラにもたらされたローマ文化の影響が直接的なものではなく、当時ローマ帝国下における文化の中心地であったエジプトのアレクサンドリア経由でもたらされた可能性を確認するために夏季休暇を利用し、アレクサンドリアのギリシア・ローマ博物館とカイロ考古学博物館を訪れ資料の収集にあたった。その際、1材質(台座に嵌め込む石の種類)についても新しい見解を得ることが出来た。以上のことにより、本研究に対する資料の大幅な追加がなされ、さらに厳密な分析が可能となった。結果としては当初仮定した通り、紀元後1世紀のプリニウスの『博物誌』の中に書かれている「指輪は小指に嵌める習慣」が実際に古代ローマ帝国影響下のシリアのパルミラに存在していたことが明らかとなった。最新のローマモードが商人たちや軍人たちを通してパルミラへともたらされていたのである。しかしながら、その一方でローマ帝国成立以前より指輪を用いる伝統を持つエジプトからの文化的影響の可能性についても考察が必要となった。特に近年、CTスキャンを使用することにより、ミイラを破壊する事無くその内部を見ることが可能となってきている。つまり装身具である指輪の元の位置(どの指に装着されているか)を確認出来る機会が増加しているのである。この点に関しては今後の課題となるであろう。 最終的にこの研究によって得られた研究成果をまとめ論文として指定期間内に発表する予定である。来年度9月発行予定の『駒沢史学』第69号紙上において「パルミラの彫像にみられる指輪について-地方都市のローマ化の一例-」という論題で掲載が内定している。
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