配分額 *注記 |
4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
2006年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2005年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2004年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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研究概要 |
本研究の目的は,(1)北海道東部太平洋沿岸域において,先史・歴史時代に発生した異常な巨大地震津波について調査研究すること,(2)津波堆積物の分布や層序,年代を明らかにし,遺跡の年代と照らし合わせ,さらに,遺跡の分布範囲と津波堆積物の分布域との関係も検証するなどして,古地震津波と当時の人々との関係をさぐるものである. 平成18年度の研究実勢の概要は以下のとおりである. (1)平成17年度に北海道東部太平洋沿岸域の根室地域(南部沼、別当賀、ガッカラ浜)で行った先史・歴史時代の巨大地震津波痕跡,すなわち「津波堆積物」の地質調査結果について室内分析作業を実施.同地域における過去5000年間の異常な巨大地震津波痕跡15層の存在を確認し,それらの分布範囲を明らかにした.また,同地域における縄文時代以降の遺跡の分布範囲との比較を行った. (2)北海道東部太平洋沿岸域の根室地域(南部沼、別当賀、ガッカラ浜)で採取した先史・歴史時代の津波堆積物を分析した結果、異常な規模の巨大津波の再来間隔は265年〜378年と見積もることができた.このことは、霧多布湿原や十勝海岸で明らかにされた約500年周期の異常な規模の巨大津波の再来間隔を上回るものであり、北方四島(南千島)側の波源・震源域の影響を受けている可能性が明らかとなった。 (3)北海道東部太平洋沿岸域の釧路市春採湖において、化石珪藻遺骸と比較するための現世珪藻類を採取した。 (4)既存論文を用いて,十勝〜根室における先史・歴史時代の津波堆積物の分布範囲と各時代の遺跡の分布範囲との比較を行った.また,考古分野や民族分野の研究者から,関連情報を収集した. これらによって得られたデータは,学会および学術印刷物等において発表すべく,追加調査や分析項目を増やし,現在準備を進めているところである.
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