研究課題/領域番号 |
16720195
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
考古学
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研究機関 | 奈良県立橿原考古学研究所 |
研究代表者 |
鈴木 裕明 奈良県立橿原考古学研究所, 調査第2課, 主任研究員 (90260372)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2006年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2005年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 古墳出土木製品 / 木製樹物 / 威儀具 / 掘削具 / 階層性 / 地域性 / 古墳出土木製品の器種 / 木のはにわ / コウヤマキ / 木製品器種組成 / 古墳の格差 / 「木のはにわ」 |
研究概要 |
16・17年度に引き続き、古墳周濠出土木製品の観察所見・実測図・写真・樹種・時期・出土状況・共伴遺物などの項目に分けたデータベース化作業を実施し、追加事例の有無などの確認作業を行った。また、これまで古墳周濠出土木製品で確認できた13器種のなかで、古墳時代を通じて墳丘規模・地域に関わらず普遍的にみられる掘削具と、時期・地域的に限られ、集落遺跡からは出土しない木製樹物・威儀具などに焦点をあて、各所蔵機関にて調査を行った。各個体の形態・大きさ・加工痕・使用痕・木取りなどの観察を中心に、実測図の作成及び写真撮影を行い、考古学的な情報を収集した。これらの調査を通じて、周濠の掘削・墳丘の盛土・埋葬施設の構築など古墳造営にかかわる工具・掘削具・運搬具などの器種は、墳丘規模・地域に関わらず、各地の集落遺跡出土木製品と同様の形態・用材の木製品が使用される傾向が看取された。一方で、木製樹物・古墳専用の威儀具などは、地域を越えて一定の規範のもとに製作されており、埴輪のあり方と共通する。このような墳丘の装飾、祭儀に関わる木製品は分布が限定され、用材もコウヤマキ・ヒノキにほぼ限定される。これには、その古墳の特性や階層性が現されている可能性がある。このように古墳周濠から出土する木製品には、古墳築造に使用された後、周濠に埋置されるような古墳時代を通じて普遍的にみられるものと、その古墳の特性あるいは階層性が示されるような木製品があり、古墳出土木製品の性格を理解する上で大きくまずこの二者に分離されることが明らかとなった。このような分析を経て、器種組成・出土量・形態・樹種などからみた各古墳出土木製品の比較と、そこに現れる時期による古墳間での共通性・非共通性、階層性、地域性を考察した論文を作成した。
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