研究課題/領域番号 |
16720205
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
人文地理学
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研究機関 | 奈良大学 |
研究代表者 |
土平 博 奈良大学, 文学部, 講師 (70278878)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
2006年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2005年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2004年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 陣屋町 / 藩領 / 近世 |
研究概要 |
既往の研究においては、近世の「陣屋」は「城」と明確な区分をせず、その概念は曖昧であったといえよう。城下町論では、陣屋と集落が「陣屋町」や「小城下町」という概念で扱われてきた。それは、「陣屋」という語が、武家の格式を意味する「城持ち」に対する「城持ちでない」という意味を指し示すための用語として、また、建物規模の観点から城よりも小規模なタイプのものを指し示す用語として使われてきた。とくに、後者は研究者の判断によるところが大きい。この研究では、両面から取り組んできた。前者による区分は、結局可視的に後者の違いを生み出す。 研究対象地域として福島県とその周辺地域を設定して、陣屋をとりあげた。これまでの「陣屋」の分類では、前者の基準をふまえると6タイプに分類できる。同地域は、5タイプのものがみられ比較検討が可能であった。 陣屋と集落の関係から次のようにまとめられる。集落の形成時期と陣屋と建設時期の点から、(1)陣屋と集落が同時期、(2)集落が先で陣屋が後、に分類できる。前者は、陣屋を中心にした「陣屋町」としてみなすことができるが、それは城下町の形態に近い。後者は、既存集落に陣屋が付帯するタイプである。付帯する位置については、(1)既存集落内に立地するもの、(2)既存集落隣接して立地するもの、(3)既存集落から離れた場所に立地するが、その集落と関係をもっているもの、に分類できる。このような形態的な差は、陣屋主である武家の格式、財政、領域の違い(たとえば、飛地領をもつ、もたない)、地理的条件として地形・交通路・既存の集落形態の差が要因として考えられる。
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